将棋の戦法を初心者が覚える基本とおすすめ定跡
公開

駒の動かし方を覚えたあとに誰もがぶつかる壁が、「最初は何を指せばよいのか分からない」という悩みです。当てずっぽうに駒を前に進めると、相手に隙を突かれて思わぬ損をしてしまうことがあります。そんな序盤の迷いをなくす道しるべが戦法です。この記事では、将棋の戦法を初心者が覚えるときに知っておきたい基本の考え方と、指し手の型である定跡の初歩を分かりやすく解説します。
序盤の大きな分かれ道「居飛車」と「振り飛車」
図1の局面を文字で見る
後手:9一香、8一桂、7一銀、6一金、5一玉、4一金、3一銀、2一桂、1一香、8二飛、2二角、9三歩、8三歩、7三歩、6三歩、5三歩、4三歩、2三歩、1三歩、3四歩
後手の持ち駒:なし
先手:7六歩、9七歩、8七歩、6七歩、5七歩、4七歩、3七歩、2七歩、1七歩、8八角、6八飛、9九香、8九桂、7九銀、6九金、5九玉、4九金、3九銀、2九桂、1九香
先手の持ち駒:なし
手番:後手
直前の一手:2八→6八
強調の升:7六・3四・6八
SFEN:lnsgkgsnl/1r5b1/pppppp1pp/6p2/9/2P6/PP1PPPPPP/1B1R5/LNSGKGSNL w - 4
この図では、先手が初手に 7六 の歩を突いて角の利きを通し、後手が 3四 に歩を突いたあと、飛車を右側から左側の 6八 へ移動させています。将棋の戦法は、もっとも強力な攻め駒である飛車をどこで使うかによって、大きく「居飛車(いびしゃ)」と「振り飛車(ふりびしゃ)」の二つに分かれます。初期配置の右側(2八)のまま戦うのが居飛車で、盤の中央や左側の筋へ動かして使うのが振り飛車です。
初めて戦法を学ぶ方には、振り飛車が分かりやすいためおすすめです。飛車を盤の左側に移動させると、反対側の右側が広く空くため、自分の玉将を安全な場所へ避難させやすくなります。序盤に指す手の順番がおおむね決まっているため、相手がどんな手を指してきても自分の陣形をしっかり整えられる点が大きな魅力です。
振り飛車の中でも、飛車を6筋(先手から見て左端から数えて四つ目の筋)に振る指し方を「四間飛車(しけんびしゃ)」と呼びます。守りと攻めのバランスが良く、古くから多くの指し手に愛されてきた歴史ある型です。まずはこの四間飛車の基本手順を一つ覚えることから始めてみましょう。

アプリで遊ぶ
読んだ考え方は、実際に指して確かめるのが近道です。端末の中で考える AI と、電波が無くても最後まで対局できます。
玉を安全にする「囲い」をセットで覚える
図2の局面を文字で見る
後手:なし
後手の持ち駒:なし
先手:7六歩、6六歩、5六歩、4六歩、9七歩、8七歩、7七角、6七銀、3七歩、2七歩、1七歩、6八飛、5八金、3八銀、2八玉、9九香、8九桂、4九金、2九桂、1九香
先手の持ち駒:なし
手番:先手
強調の升:2八・3八・4九・5八
SFEN:9/9/9/9/9/2PPPP3/PPBS2PPP/3RG1SK1/LN3G1NL b - 1
この図では、先手の玉将が 2八 の深い位置まで移動し、3八 の銀将と二枚の金将がその脇を固めています。将棋には「玉飛接近すべからず」という有名な格言があります。戦いが起こりやすい飛車の近くに玉がいると、相手の反撃に巻き込まれてすぐに危険な状態に陥ってしまいます。そのため、攻める準備と並行して玉を守る「囲い」を作ることがとても大切です。
四間飛車と相性が抜群の囲いが、図で示した「美濃囲い(みのぞがこい)」です。美濃囲いには次のような特徴があります。
- 手数が少なくて早い:玉を横に寄せて金銀を少し動かすだけで、数手で堅い守りの陣形が完成します。
- 横からの攻めに強い:金将と銀将が連結して互いを守り合っているため、相手の飛車が横から攻め込んできても簡単には崩れません。
- 端と上からの攻めには注意:横からの攻めに強い反面、端の筋や玉の頭(上部)から攻められると崩れやすいので、相手が端歩を伸ばしてきたら早めに備えます。
初心者のうちは、攻めることばかりに気が向いて玉が初期位置の5九のまま戦いが始まってしまいがちです。どんな戦法を使うときでも、「飛車を振ったら、まず玉を囲いに納める」という手順を意識してみてください。
定跡を実戦で試して上達するためのコツ

昔からの研究で受け継がれてきた理想的な手順を「定跡(じょうせき)」と呼びます。定跡を学ぶと、序盤で駒損をしたり陣形が乱れたりする失敗をぐっと減らすことができます。居飛車と振り飛車の基本的な性質を比べると、次の表のようになります。
| 戦法の大分類 | 飛車の位置 | 代表的な囲い | 初心者にとっての長所 |
|---|---|---|---|
| 居飛車 | 右側(2筋など) | カニ囲い、矢倉 | 初期配置のまま攻めの主力を素早く使える |
| 振り飛車 | 中央や左側(5〜8筋) | 美濃囲い | 玉を安全に囲いやすく、序盤の型が安定する |
覚えた戦法の手順は、知識として知っているだけでなく、実際に対局で指してみることで初めて身につきます。スマートフォン向けのゲームである『将棋 天下の御前試合』は、入門から初級へ少しずつ手強い相手と腕試しができるため、新しく覚えた戦法や囲いの組み方を安心して練習する場としてぴったりです。
実戦では、相手が定跡どおりの手を指してくれないことも珍しくありません。しかし、慌てる必要はありません。「自分の玉を堅く囲い、相手の隙をうかがう」という戦法の根本的な狙いさえ保っていれば、大きく崩れることはありません。まずは得意な型を一つ決めて、繰り返し指してみる姿勢が上達への近道です。
よくある質問
初心者は居飛車と振り飛車のどちらから覚えるべきですか?
振り飛車から覚えるのがおすすめです。飛車を盤の左側に移動させることで玉将を安全な右奥へ囲いやすくなり、序盤の手順が安定して迷いにくいためです。
戦法の定跡から外れた手を相手が指してきたらどうしますか?
慌てずに自分の玉の囲いをしっかり完成させましょう。玉を安全な位置へ納めて金銀で守りを固めておけば、相手の不意の動きにも落ち着いて対処できます。
初心者が最初に覚えるべき囲いは何ですか?
振り飛車なら美濃囲いが最適です。少ない手数ですぐに組むことができ、横からの攻めにも粘り強い構造を持っているためです。
アプリで遊ぶ
からくり大名となり、戦国の御前試合 50 合戦を勝ち進む将棋のアプリ『将棋 天下の御前試合』。基本無料(アプリ内課金あり)で始められます。